「お父さん、期末考査の結果出たんだけど、四位だった」
その日の夜、私は聞かれる前にと思って、食事中、自分から先に結果を話した。
お父さんは、「そうか」と言った後で少し考え、
「惜しかったな」
と言った。
前回の順位に触れないのは、少なからず私への思いやりからだろうけれど、私はその言葉に、
「惜しくないよ、べつに」
と返す。
「なんでだ。そこはもっと上を目指して、悔しさを持つところだろ」
口ごたえをするほうじゃない私の言葉に、お父さんは眉をひそめる。
そして、お母さんはとっさに、
「理穂ちゃんは、もう先を見てるってことじゃないかしら」
と、ニコニコして場をおさめようとした。