人差し指を窓の外へ向けて、肩を上げながら微笑む美月。

その言葉に、相良くんが、
「え? そうだったんだ。そのために来たの?」
と、わりと淡々とした声を出した。
そして、
「弓道部に興味があるの? 笠間ちゃん」
と、顎をつまみながら聞いている。

「ううん。園宮くんを見に」
 
美月は照れも隠しもせずに、相良くんに説明する。

「園宮? あぁ……」
「告白されたの」
 
相良くんは「へぇ」と頓狂な声を発した後で、ちらりと私を見る。
気を使ったのかもしれないけれど、私はそんなことよりも、この部屋に美月がいること自体に違和感があり、いやな気持ちがおさまらない。