聞き慣れた声だ。
これは……。

「笠間ちゃん、部活とかしてないの?」
「帰宅部だよ。相良くんと一緒」
 
美月と相良くんの……声。
 
ドアに手をかけたことでわずかにギッと軋んだ音が出る。
そのことで、美月も相良くんもこちらを向いた。
美月は窓際で桟に手をついていて、相良くんはソファーに座り、体を背にもたせかけている。
 
そんなふうに、私も相良くんと会話したことがあった。

「あ……」
 
なんで? どうして、美月が……。