とびきりの笑顔を見せてそう言った美月は、案の定尚美に頬をつままれている。
 
今までされた告白を報告してくれた時も、美月がここまでテンションが高くて嬉しそうなことはなかった。
目の保養と実際の恋心は分けていると言っていたのに、実は最初から気になっていたのかもしれない。
 
それよりなにより……。

『接触事故があったらしくてね、手を大怪我しちゃったみたいで』
 
金曜日の益川先生の言葉が、ずっと頭にこびりついていた。
そのことに比べたら、美月が園宮くんに告白されたことなんて、それこそどうでもいいことだ。
 
私は、早く放課後になれ、と強く思っていた。