「てか、相良くんはどうしたの? よく話してたし、てっきり好きなんだと思ってたけど」
 
彩佳が話に加わると、美月は、
「相良くんはねー、たしかにかっこいいし話しやすいんだけど、ちょっと怖いんだよね」
と顎に手を置いて首をひねった。

「怖い? どこが?」
「よくわかんないんだけど、境界線みたいなものがあって、そのラインを超えそうになると、途端に冷ややかになるっていうか」
「えー、全然そんな感じじゃなさそうだけど」

彩佳は最初の頃、相良くんのことをさんざん悪く言っていたのに、話すようになった今では、彼に対する印象がかなり変わったみたいだ。

「それにね、なんかいい人いるみたいよ」
「ハハ、ちゃっかり探り入れてたんじゃん。それって彼女?」
「そうじゃないかな。でも、そんなのどうでもいいし」
「園宮くんがいるから?」
「うふ」