「それは結果であって目的ではない、みたいな」
 
私はその意味を考えてみた後で、
「ちょっとよくわからないけど、スポーツ選手とかが、自分の納得のいく動きができなかったら、一位になっても嬉しくなさそうなのと一緒?」
と尋ねる。

「あぁ、うん、そうかも。勉強とかテストに関しては、目的は理解と定着なわけだから、ミスしたところを完璧にすることのほうが大事で、順位云々は副産物というか、ただの結果というか」
「……まぁ」
 
その言葉に、私は頷く。
たしかにそうだし、それはわかりきっていることだ。

でも、なぜか、見慣れすぎて見過ごしてしまう看板のように、あたり前すぎて忘れてしまっていたような気がした。