「ねーねー、期末って、なんでこうもテスト範囲多いんだろう」
「期末だからあたり前っしょ」
 
昼休み。
美月に尚美がそう言うと、美月はそれを流して、「理穂ちゃーん、助けて」と私の背中にうなだれてくる。

「たしかに多いよね、覚えること。副教科もあるし」
 
私は、美月のサラサラの髪がまとわりつく腕を見ながら笑う。

「そーだよー。一夜漬けでお肌死んじゃう」
「一夜漬け連続四日だよ、私も」
 
そんな話をしている美月と尚美に、
「ちょっとは理穂子を見習って、一週間前からでもコツコツしとけばよかったのに。前日になってなに言ってるのよ」
と呆れ声の彩佳。