それから、相良くんとはまったく話さなくなった。
いや、数回声をかけられはしたけれど、ほぼ無視をしていたら、そのうちそうなった。
 
あいかわらず美月は相良くんと仲がよく、廊下ですれ違うたびに挨拶をしたり立ち話をしたり。
尚美と彩佳もそのせいでだろうか、まぁまぁ話すようになっていた。

そんな時の私はというと、ひたすら微笑みでやり過ごす。
それしかなかった。
 
彩佳は、あれ以来なにも聞いてこなくなった。
たぶん、私と相良くんの間で、ちゃんと話がついた結果こうなっているのだろう、と思っているはずだ。

だから、私がなにも言わない限り、彩佳も追及してこない。
優しく思いやりのある彩佳らしい。