「久世(くぜ)さん、彰浩のこと心配してたよ。引っ越してから会ってねーんだな」
「あぁ……まぁ」
「メールとかはしてるわけ?」
「たまにね」
大きな友人さんと話している私の耳は、そちらの声を選択して聞き取ってしまう。
おそらく……向こうに残してきたという彼女の話だ。
「でも、彰浩は悪いやつじゃないんで、仲良くしてやってくださいね」
肩をポンと叩かれたことで、こっちの話に意識を戻した私は、
「え? あ……いや、でも、クラス違うし、心配しなくても相良くんは自分のクラスの人たちとすぐに仲よくなってましたよ」
と説明する。
「そうなんすか? じゃあ、なにつながり? アイツと」
「……うーんと……ピアノつながりというか」
「あぁ、彰浩はピアノの神童……」
「おい、なに話してんの?」
大きい友人さんのシャツの襟足をグイッと引っ張って、相良くんが会話を強制終了させる。
「あぁ……まぁ」
「メールとかはしてるわけ?」
「たまにね」
大きな友人さんと話している私の耳は、そちらの声を選択して聞き取ってしまう。
おそらく……向こうに残してきたという彼女の話だ。
「でも、彰浩は悪いやつじゃないんで、仲良くしてやってくださいね」
肩をポンと叩かれたことで、こっちの話に意識を戻した私は、
「え? あ……いや、でも、クラス違うし、心配しなくても相良くんは自分のクラスの人たちとすぐに仲よくなってましたよ」
と説明する。
「そうなんすか? じゃあ、なにつながり? アイツと」
「……うーんと……ピアノつながりというか」
「あぁ、彰浩はピアノの神童……」
「おい、なに話してんの?」
大きい友人さんのシャツの襟足をグイッと引っ張って、相良くんが会話を強制終了させる。