そして、すぐそばまで来た相良くんに、
「どうぞ」
と言って、バトンタッチするかのように校舎のほうへ歩いて行った。
どういうことかよくわかっていなさそうな表情で彩佳の背中を見た後、またこちらへ顔を戻した相良くん。
「よかったの? 友達、あっち行ったけど」
と言って、普通に話しかけてくる。
「……うん」
「て、なに? なんで泣いてんの? フラれたの図星だったとか?」
「違う」
やはり普通に接することはできず、向き合った体を横に向ける。
何人かの生徒たちが笑いながら、体育館へとまた通り過ぎて行った。
「どうぞ」
と言って、バトンタッチするかのように校舎のほうへ歩いて行った。
どういうことかよくわかっていなさそうな表情で彩佳の背中を見た後、またこちらへ顔を戻した相良くん。
「よかったの? 友達、あっち行ったけど」
と言って、普通に話しかけてくる。
「……うん」
「て、なに? なんで泣いてんの? フラれたの図星だったとか?」
「違う」
やはり普通に接することはできず、向き合った体を横に向ける。
何人かの生徒たちが笑いながら、体育館へとまた通り過ぎて行った。