美月たちが先に行ってしまった今、やっぱり違うところに行きたいとは言えず、私は渋々階段をのぼる。

美月の話では、相良くんはウェイターをやっているらしい。
三組の教室に行ったら、高確率で会ってしまうだろう。
　


三組の前にはおしゃれなカフェ風の看板が出ていて、入口の茶色いのれんをくぐって中に入る。

机を固めていくつかの島ができていて、その後ろの一番奥の窓際あたりに、美月たちはすでに座っていた。

「こっちだよー」
　
ぼちぼち人が入っている中、ぶんぶんと手を振って私と彩佳にアピールする美月。
横には相良くんが、白シャツに腰で巻くタイプの黒いエプロン姿で立っていた。