英会話が終わって家に帰りついた私は、鍵を開けて中に入った。

今日は、お父さんとお母さんは隣の県に住むおばあちゃんのお見舞いに行くと言っていた。
お父さんの仕事終わりに合わせてお母さんが迎えに行き、そのまま向かって夜に帰ってくるとのことだった。
 
キッチンには微かにカレーのにおいが漂っている。
『帰りが遅くなってお腹が空いたら、先に食べてていいからね』とメールが来ていた。
 
部屋着に着替えた私は、ソファーに体を横たえる。
真っ暗なテレビ画面に私の影が映って、それをぼんやりと眺めた。

「……疲れた」
 
それほど体力を使うことはしていないのに、本当に疲れた気がする。
英会話の授業中も上の空になってしまい、怒られはしなかったものの心配された。