「あ……ありがとう」
「他にある? 届かないやつ」
 
私と彩佳にそう聞いてきた園宮くんに、「じゃあ、ごめん、これもお願いします」とふたりでひとつずつお願いして、括りつけてもらう。
園宮くんは背が高いので、軽々と済ませてくれた。

じゃ、と短く言って去っていった彼に、彩佳は、
「すごいよね。高身長で、文武両道で、軽くなくて、さりげなくジェントルで、って。最強だわ」
と、感心している。

さっきの話はそのせいで紛れてしまい、私はなんとなくホッとする。

「理穂子はよく接してるから、好きになったりしないの?」
「え?」