放課後、今日は金曜日でピアノ教室の日だというのに、私は旧総合棟へと向かっていた。

いつものように中に入り、いつものように二階の旧音楽室へと上がるため、一階のいくつかの特別教室を横切る。
その中のひとつの旧美術室の前を通ると、六、七人くらいの人影があり、クラスに分かれてそれぞれの看板に色を塗ったり、飾りつけをしたりしていた。
 
そして、私が日誌を書いている時にバイバイした美月の姿が目に入る。
尚美は部活があるからか、姿はなかった。
 
その近くに、相良くんもいた。
クラスの友達と一緒に、絵の具で看板の背景を塗っている。