振り返るともう、相良くんは自分の教室に入っていた。
友達とすぐにじゃれ合い始め、笑い声まで聞こえてき出す。
しっくりこない気持ちで自分の教室に戻ると、美月が彩佳に、
「尚美は部活の先輩との話に花が咲いて、先に行っててって言われたの。それで、途中で相良くんと一緒になってさ。あ、相良くんも看板係らしくて、旧美術室で……」
と説明をしていた。
園宮くんは、ちらりと私を見て頷くように微笑んだ後で、自分の席に戻る。
私も席に着くと、それに気付いた美月が寄ってきた。
「ねぇねぇ、理穂ちゃん。相良くんがさ」
「看板係なんでしょ? 聞こえてた」
ちょっとぶっきらぼうにそう言ってしまって、きょとんとした顔の美月に、「文化祭までの間、楽しくなりそうだね」と微笑んで取り繕う。
美月はすぐに、「そうなの。尚ちゃんもさー、さっき……」と、楽しそうに話を再開し出す。
わかっている。
美月は園宮くんが自分のことを想っているとは知らないんだから、こんないやな気持ちになるほうがおかしいってこと。
デリカシーがないなんて、お門違いだ。
でも……なんでこんなにイライラするのだろうか。
友達とすぐにじゃれ合い始め、笑い声まで聞こえてき出す。
しっくりこない気持ちで自分の教室に戻ると、美月が彩佳に、
「尚美は部活の先輩との話に花が咲いて、先に行っててって言われたの。それで、途中で相良くんと一緒になってさ。あ、相良くんも看板係らしくて、旧美術室で……」
と説明をしていた。
園宮くんは、ちらりと私を見て頷くように微笑んだ後で、自分の席に戻る。
私も席に着くと、それに気付いた美月が寄ってきた。
「ねぇねぇ、理穂ちゃん。相良くんがさ」
「看板係なんでしょ? 聞こえてた」
ちょっとぶっきらぼうにそう言ってしまって、きょとんとした顔の美月に、「文化祭までの間、楽しくなりそうだね」と微笑んで取り繕う。
美月はすぐに、「そうなの。尚ちゃんもさー、さっき……」と、楽しそうに話を再開し出す。
わかっている。
美月は園宮くんが自分のことを想っているとは知らないんだから、こんないやな気持ちになるほうがおかしいってこと。
デリカシーがないなんて、お門違いだ。
でも……なんでこんなにイライラするのだろうか。