「てか、笠間ちゃんと俺って、“たしかにいい感じだよね”なの?」
 
そこも聞かれていたのか……。

痛いところを突かれて返事に窮すると、
「ウサギのことを思ったら、俺が笠間ちゃんと付き合ったほうが好都合ってこと?」
と、畳みかけられるように追及される。

相良くんはこういうところが本当に意地悪だ。

「……違うよ」
 
違わなかった。
たしかにあの時あの瞬間は。手に持ったままだったバルーンが、力を入れた手のせいでキュッといやな音を立てる。

「腹黒ウサギだな。協力しようか?」
「だから、そんなのいらないってば。違うって言ってる」
「どうだか」