私は諦め、「ちょっとだけなら」と渋々答えた。
もう、どうでもいい、という気持ちだ。
「ハノンはもう飽きたからいいや。次は……」
ピアノへ移動し、隣同士で椅子に座った相良くんは、「これ」と言って、左手でゆっくりとした曲を奏で始める。
小学校の時に覚えた、エリック・サティのジムノペティだった。
彼は左手で右手のパートを弾いていた。
「すごい、弾けるんだ。ていうか、知ってるんだね」
「うん、有名じゃん、これ。何度も聴いてるから覚えた」
さすがの耳だ。
少したどたどしいけれど、ゆっくりした曲調だからか一切ミスすることなく弾けている。
それに、足で取っているリズムも一定で、全然ブレない。
なんだかんだで練習を続ける気があるみたいだし、もしかしたらこれからどんどん上達するんじゃないだろうか。
もう、どうでもいい、という気持ちだ。
「ハノンはもう飽きたからいいや。次は……」
ピアノへ移動し、隣同士で椅子に座った相良くんは、「これ」と言って、左手でゆっくりとした曲を奏で始める。
小学校の時に覚えた、エリック・サティのジムノペティだった。
彼は左手で右手のパートを弾いていた。
「すごい、弾けるんだ。ていうか、知ってるんだね」
「うん、有名じゃん、これ。何度も聴いてるから覚えた」
さすがの耳だ。
少したどたどしいけれど、ゆっくりした曲調だからか一切ミスすることなく弾けている。
それに、足で取っているリズムも一定で、全然ブレない。
なんだかんだで練習を続ける気があるみたいだし、もしかしたらこれからどんどん上達するんじゃないだろうか。