『そうか……十三位か……』
『自慢の娘だ』
 
なぜだろうか、急に自分の演奏が、まるでパソコンのタイピングをしているかような、そんな無機質な音を打っているだけのような錯覚がした。

私は焦りと同時に、言いようのない不安に襲われ、あと少しで終わりだというのに、動悸がどんどん速く強くなっていく。
顎まで伝った冷たい汗が、パタリと鍵盤の上に落ちた。

『お父さんとお母さんをがっかりさせるようなことはしないでおくれよ』
 
今、考えるな。
考えたら……。

『すごい表面的だね』
 
頭の中で、相良くんがそう言って笑った。
 
その途端、私の指は、まるで一時停止の動画のように、ぴたりと止まってしまった。