「そういえば、中間、どうだった?」
園宮くんがドアの戸当たりに手をかけた時、私は思いきって聞いてみた。
「あぁ、うん」
横顔を向けて顎を指で掻いた彼に、私は作り笑顔を崩さないままで、「やっぱり園宮くんがトップだったんでしょ?」と尋ねる。
「まぁ……」
「ハハ。さすが委員長」
そう言うと、園宮くんはバツが悪くなったのか、「じゃあね」と言った。
「うん。弓道、頑張ってね」
「宇崎さんもコンクールの練習、頑張ってね」
音楽室を出ていく彼を笑顔で見送りながら、結局園宮くん、私のピアノを聞かずに帰るんだ、と思った。
上げた頬は、しばらく固めたように動かなかった。
園宮くんがドアの戸当たりに手をかけた時、私は思いきって聞いてみた。
「あぁ、うん」
横顔を向けて顎を指で掻いた彼に、私は作り笑顔を崩さないままで、「やっぱり園宮くんがトップだったんでしょ?」と尋ねる。
「まぁ……」
「ハハ。さすが委員長」
そう言うと、園宮くんはバツが悪くなったのか、「じゃあね」と言った。
「うん。弓道、頑張ってね」
「宇崎さんもコンクールの練習、頑張ってね」
音楽室を出ていく彼を笑顔で見送りながら、結局園宮くん、私のピアノを聞かずに帰るんだ、と思った。
上げた頬は、しばらく固めたように動かなかった。