しばらく鍵盤に指を置いたままだった私は、言われるがままに、というかムキになってその二曲を弾き始める。
 
弾きながら胸の内にこもったドロドロが、指を伝って吐き出される錯覚がした。
曲調がそうだからというのもあるけれど、鍵盤を激しく連打し、力任せに弾き上げ、腰も浮いてしまうほどだった。

「ハハ、すげぇ。うまくつなげたね、運命と革命を。見事だ」
 
はぁ、と息を吐くと同時に、相良くんが拍手をした。
まるでどこかのえらい先生のような物言いに、私は小さく彼を睨む。

でも、たしかにすっきりした。

「……成績」
「え?」
 
ぼそりと言った私の声を拾った彼は、正しく座っている私の肩に横向きに体重を預け、寄りかかって聞き返す。