「うん……まだ」
「そうか。結果が出たら教えるんだぞ。楽しみにしているから」
「わかった……」
 
渇いた喉にお茶を流し込むも、心は全然落ち着かない。
 
嘘をついてしまった。
そのことが、成績が落ちたことの上に積み重なって、胸の中が一層重たくなる。

いずれバレることなのだから嘘をつくなんて無意味でバカげていると、そう思っていた自分が、私を見下ろしながら呆れている。

「理穂ちゃん? 大丈夫? どうかした?」
 
お母さんが私の顔を覗いてきた。
私は作り笑顔を見せて、「大丈夫だよ」と言って席を立った。