「あら? 勉強熱心ねぇ、理穂ちゃんは」
「先生に質問したい箇所があって」
「わかったわ。それじゃ、英会話の先生にだけ、お休みの連絡しておくからね」
「うん」

私の訴えに、お父さんもお母さんも満足そうに微笑んで頷いた。
これ以上成績を落としたくないという焦りでそう言ったのだけれど、ふたりともそんなことは想像もしていないだろう。
 
話がいったん切れたので、私は安堵していた。
もう食べ終わりそうだから、早々と自分の部屋へ戻ろう。

「そういえば、そろそろ中間考査の成績が出た頃じゃないか? まだなのか?」
「あ……」
 
私は一瞬、脳味噌を直に揺さぶられたような心地がした。
血の気が引いて、喉元がきゅっと狭まる感じだ。