「今日は水曜だから英会話の日だっけ?」
「うん、そう。だから、放課後は行けないんだけど……。そういえば、相良くんは毎日あそこで暇潰してるんだよね? 私が行かなくても、ピアノとか弾いてるの?」
「……弾いてないよ」
「そうなんだ」
 
ちょっと妙な間があったな、と思った時、
「あ、いた、宇崎さん」
と後ろから声をかけられる。

振り返ると園宮くんがいて、「先生が配布物が多いから、ふたりで手伝いに来いって」と言われた。

「あっ、うん。わかった」
 
相良くんに目配せをして、私は園宮くんのほうへ駆け寄る。