「お、驚かせるからでしょ?」
額を押さえている相良くんに文句を言うと、
「それは謝るけど……イテテ、石頭だな、理穂ちゃんは」
と言われる。
「……その呼び方、ちょっといやだ」
「じゃあ、そのままウサギで」
それもいやなんだけれど、もう慣れたからそちらのほうがまだよかった。
私は驚いたことで上がってしまった心拍を落ち着かせるように、これ見よがしに大きく息を吸い込んで吐き出す。
「あー、弓道場、見てたんだ」
窓際まで来て同じ方向を見下ろすと、相良くんはそう言って、ちょっとだけ意味深な感じで「ふーん……」と言った。
「なに?」
「おたくの委員長がいるんだね。弓道部」
「そうね」
額を押さえている相良くんに文句を言うと、
「それは謝るけど……イテテ、石頭だな、理穂ちゃんは」
と言われる。
「……その呼び方、ちょっといやだ」
「じゃあ、そのままウサギで」
それもいやなんだけれど、もう慣れたからそちらのほうがまだよかった。
私は驚いたことで上がってしまった心拍を落ち着かせるように、これ見よがしに大きく息を吸い込んで吐き出す。
「あー、弓道場、見てたんだ」
窓際まで来て同じ方向を見下ろすと、相良くんはそう言って、ちょっとだけ意味深な感じで「ふーん……」と言った。
「なに?」
「おたくの委員長がいるんだね。弓道部」
「そうね」