相良くんがよそ行きの顔で、「よろしく、理穂ちゃん」と言った。
だから、私もよそよそしい微笑みで、「よろしく」と返す。
「美月、買い物行くんでしょ? 私、終わったから、一緒に職員室寄って、早く行こう」
「うん。わかった!」
立ち上がってテキパキと支度をし始めた私を見て、美月も立ち上がってバッグを肩にかける。
「そーなんだ。じゃあね、笠間ちゃん、理穂ちゃん」
空気を読んだ相良くんが、私にちらりと目配せをした後で手を振り、教室を出ていった。
おそらく今から旧音楽室へ向かうのだろう。
美月も「じゃーねー」と言って、無邪気に手を大きく振って見送った。
今日はピアノができない、と言う手間が省けたのはよかったのかもしれない。
でも……。
たった一日なのに、旧音楽室に行けないことがなんとなくもったいないような気がして、その後の雑貨店も、久しぶりの買い物だというのに思ったほど楽しめなかった。
だから、私もよそよそしい微笑みで、「よろしく」と返す。
「美月、買い物行くんでしょ? 私、終わったから、一緒に職員室寄って、早く行こう」
「うん。わかった!」
立ち上がってテキパキと支度をし始めた私を見て、美月も立ち上がってバッグを肩にかける。
「そーなんだ。じゃあね、笠間ちゃん、理穂ちゃん」
空気を読んだ相良くんが、私にちらりと目配せをした後で手を振り、教室を出ていった。
おそらく今から旧音楽室へ向かうのだろう。
美月も「じゃーねー」と言って、無邪気に手を大きく振って見送った。
今日はピアノができない、と言う手間が省けたのはよかったのかもしれない。
でも……。
たった一日なのに、旧音楽室に行けないことがなんとなくもったいないような気がして、その後の雑貨店も、久しぶりの買い物だというのに思ったほど楽しめなかった。