もしかして、昨日はみんな一緒に外に出ていたのかな。そして、美術準備室を私有化していたあの男女の生徒は、美術部の人たちが外出していることを知っていてあんなことをしていたのだろうか。
……いずれにしろ、最低なのには変わりないけれど。
「部員って、何人くらいいるんですか?」
「うーん、15人くらいはいるはずなんだけどね、実際ちゃんと顔出してるのは今日来てる8人くらいかな」
……やっぱり幽霊部員が多いんだ。
それより、この中に桐谷遥さんはいるんだろうか。
3年の女子は、スリッパの色を見る限りふたりいる。でも、ひとりは写実的なポスターに色をつけていて、もうひとりはなぜか本を読んでいるから判断しようがない。
……にしても、ホント、自由だな。
「それでね、私的にはね、ヘルメスよりこっちのマルスのほうが好きなんだー。この方向からの光の当たり方がめちゃくちゃかっこよくてね、それで……」
いつの間にかマニアックな石膏像話に花を咲かせているまり先輩。ハッとした私は時計を見て、
「先輩、すみません、時間が……」
と、申し訳ない気持ちで切り出す。
「あ、そっかー。そうだったね。ごめんごめん」
頭をかいて笑う先輩。私は道具を片付けながら、やっぱり30分て無理があるかもな、と思った。
……いずれにしろ、最低なのには変わりないけれど。
「部員って、何人くらいいるんですか?」
「うーん、15人くらいはいるはずなんだけどね、実際ちゃんと顔出してるのは今日来てる8人くらいかな」
……やっぱり幽霊部員が多いんだ。
それより、この中に桐谷遥さんはいるんだろうか。
3年の女子は、スリッパの色を見る限りふたりいる。でも、ひとりは写実的なポスターに色をつけていて、もうひとりはなぜか本を読んでいるから判断しようがない。
……にしても、ホント、自由だな。
「それでね、私的にはね、ヘルメスよりこっちのマルスのほうが好きなんだー。この方向からの光の当たり方がめちゃくちゃかっこよくてね、それで……」
いつの間にかマニアックな石膏像話に花を咲かせているまり先輩。ハッとした私は時計を見て、
「先輩、すみません、時間が……」
と、申し訳ない気持ちで切り出す。
「あ、そっかー。そうだったね。ごめんごめん」
頭をかいて笑う先輩。私は道具を片付けながら、やっぱり30分て無理があるかもな、と思った。