「美術部に仮入部してて、バスの前の30分間だけ行ってるの。たまに絵に没頭して、バスの時間逃しちゃったりして……。だから……」
「火曜日だけ?」
「……たまたま」
火曜日は、桐谷先輩が必ず来る日だ。そんなことは……言えない。
「バスに乗り遅れて塾を休まなきゃいけなくなるくらいなら、やめなさい」
「…………」
私は、本当に予想どおりのことを言ってくるお母さんに、心のなかで大きくため息をつく。
「放課後をそういうことに使っている人たちと差をつけさせるために、塾に行かせてるのよ? 3年間で合計したら、かなりの……」
始まった。ここからが長い。延々と続く。私はやっぱり、今までの自分を変えることができずに、お母さんの言うことにひたすら「はい」を返した。
どうせ、諏訪くんの言葉に影響されて、しばらく部活を休もうかなって思っていた。すんなり辞めるために仮入部のままだったんだし、いい機会なのかもしれない。
私はそう、自分に言い聞かせた。
「火曜日だけ?」
「……たまたま」
火曜日は、桐谷先輩が必ず来る日だ。そんなことは……言えない。
「バスに乗り遅れて塾を休まなきゃいけなくなるくらいなら、やめなさい」
「…………」
私は、本当に予想どおりのことを言ってくるお母さんに、心のなかで大きくため息をつく。
「放課後をそういうことに使っている人たちと差をつけさせるために、塾に行かせてるのよ? 3年間で合計したら、かなりの……」
始まった。ここからが長い。延々と続く。私はやっぱり、今までの自分を変えることができずに、お母さんの言うことにひたすら「はい」を返した。
どうせ、諏訪くんの言葉に影響されて、しばらく部活を休もうかなって思っていた。すんなり辞めるために仮入部のままだったんだし、いい機会なのかもしれない。
私はそう、自分に言い聞かせた。