「あ……の……、み、水島(みずしま)沙希です。よろしくお願いします」
……あぁ、そんなつもりじゃなかったけれど、言ってしまった。
表情が乏しいなりにも、無理して笑顔を作って頭をさげると、少ない人数のまばらな、でも温かい拍手を受ける。
絵は見るのも描くのも苦手なわけではないし、むしろ好きなほうだから、べつに入部してもかまわないといえば、かまわない。毎日塾だから、30分くらいしか部活に顔を出せないことになるけれど。
「…………」
……まぁ、いいか。籍だけ置いている幽霊部員とかもいるだろうし、30分活動するだけでも十分だろう。いざとなれば仮入部なんだから正式に入部する必要もないし。なにより、桐谷遥さんとお近付きになれるかも……。
私はそう思って、再度頭をひかえめにさげた。
……あぁ、そんなつもりじゃなかったけれど、言ってしまった。
表情が乏しいなりにも、無理して笑顔を作って頭をさげると、少ない人数のまばらな、でも温かい拍手を受ける。
絵は見るのも描くのも苦手なわけではないし、むしろ好きなほうだから、べつに入部してもかまわないといえば、かまわない。毎日塾だから、30分くらいしか部活に顔を出せないことになるけれど。
「…………」
……まぁ、いいか。籍だけ置いている幽霊部員とかもいるだろうし、30分活動するだけでも十分だろう。いざとなれば仮入部なんだから正式に入部する必要もないし。なにより、桐谷遥さんとお近付きになれるかも……。
私はそう思って、再度頭をひかえめにさげた。