なんとなく黙秘権を奪われている気がして、私は素直に答えてしまう。諏訪くんはもうひと口喉に流しこんで、ゾウの方を向いたまま、
「あの舞川ってやつの言葉は、あながち間違ってないかもな」
と言った。
「1ヶ月くらい休んでみたら? 部活」
「え?」
「距離を置くってやつ。案外、会わなければ薄れていくかもよ、気持ち。それでも変わらなければ、またそこで考えればいいし」
「そ……そうかな」
そうかもしれない、と思うと同時に、この気持ちが薄れていくことに、かすかなさみしさみたいなものを感じる。矛盾している。消したい気持ちなのに、なくなってしまうのがさみしいなんて。
「なんか……相談に乗ってくれそうなタイプじゃないのに……ありがとう」
「おい、ひと言余計だろ」
あからさまに嫌な顔をした諏訪くんに、私はアハハ、と思わず笑ってしまった。初めて喋る男の子の前で笑うなんて、私にとっては初めてのことだった。
「あの舞川ってやつの言葉は、あながち間違ってないかもな」
と言った。
「1ヶ月くらい休んでみたら? 部活」
「え?」
「距離を置くってやつ。案外、会わなければ薄れていくかもよ、気持ち。それでも変わらなければ、またそこで考えればいいし」
「そ……そうかな」
そうかもしれない、と思うと同時に、この気持ちが薄れていくことに、かすかなさみしさみたいなものを感じる。矛盾している。消したい気持ちなのに、なくなってしまうのがさみしいなんて。
「なんか……相談に乗ってくれそうなタイプじゃないのに……ありがとう」
「おい、ひと言余計だろ」
あからさまに嫌な顔をした諏訪くんに、私はアハハ、と思わず笑ってしまった。初めて喋る男の子の前で笑うなんて、私にとっては初めてのことだった。