「一個、質問していい?」

缶を両手で握って膝に置き、諏訪くんの方を向いた。

「なに?」
「フった相手が、一緒の部活だったりバスだったりって、どう思う?」

少し難しそうな表情になった諏訪くんは、「うーん」と言ったあと、
「どうって……、そりゃ、気まずいし嫌だよ。本人そのつもりじゃなくても」
と答える。

「わりと話す相手だったら?」

もっと気難しい顔になる諏訪くん。腕を組んで、彼なりに真剣に考えてくれている。

「仲がもともとよかったんだったら、うーん、そうだな……。自分のことふっきってくれるっていうか、他に彼氏とか作ってくれれば気を遣わずにすむし、今までの関係保てるかもしれないけど」

そっかー……、と空を見あげる。

「なに? 水島さんて、フラれてるのに、まだ仲よくしときたいの?」
「あっ、友……」
「友達の話だとか嘘つくの、だりーよね、マジで」
「……私の話です。はい」

コーラをグビリと飲む音が横から聞こえる。

「さっき話してた、なんとか先輩?」
「……うん」
「部活とバスで会うの?」
「うん」