中野くんと同じバスケ部だと言っていた、爽やかで優しそうで背が高い彼は、是枝(これえだ)くん。舞川さんは中野くんがキープしていて、残る私と涼子なんて眼中にないだろうに、ニコニコとしながらこの茶番に付き合ってくれている。
「でも、せっかく俺らもいるんだから、話に入れてよ」
「わーお、ナチュラル。是枝くん、モテるでしょ?」
すかさずそう返す涼子に、涼子がモテない所以はこういうところにあるな、と呆れる。
「おい」
そのとき、斜めうしろからぐいっと肩を引かれた。突然のことにビックリした私は、
「ひっ!」
と、変な声をあげてしまう。
「ぼーっとしてんなよ。階段踏み外すぞ」
荒々しい言葉遣いの主を見ると、中野くんが連れてきたもうひとりのバスケ部仲間の、……えーっと、たしか、諏訪(すわ)くん。
驚いたけれど、足もとを見て、下る階段に差しかかっていたことを知り、
「あ……りがとう」
とお礼を言う。
諏訪くんは是枝くんとは対照的で、背は3人の男子の中で一番低く、いつもちょっと怒っているようなへの字顔。口調もちょっとキツめだし冷たそうな人だと思っていたけれど、助けてくれたことで、少しだけその印象が変わった。
「でも、せっかく俺らもいるんだから、話に入れてよ」
「わーお、ナチュラル。是枝くん、モテるでしょ?」
すかさずそう返す涼子に、涼子がモテない所以はこういうところにあるな、と呆れる。
「おい」
そのとき、斜めうしろからぐいっと肩を引かれた。突然のことにビックリした私は、
「ひっ!」
と、変な声をあげてしまう。
「ぼーっとしてんなよ。階段踏み外すぞ」
荒々しい言葉遣いの主を見ると、中野くんが連れてきたもうひとりのバスケ部仲間の、……えーっと、たしか、諏訪(すわ)くん。
驚いたけれど、足もとを見て、下る階段に差しかかっていたことを知り、
「あ……りがとう」
とお礼を言う。
諏訪くんは是枝くんとは対照的で、背は3人の男子の中で一番低く、いつもちょっと怒っているようなへの字顔。口調もちょっとキツめだし冷たそうな人だと思っていたけれど、助けてくれたことで、少しだけその印象が変わった。