胸に押し寄せるのは、罪悪感の波。けれど今更、嘘を覆すわけにもいかない。
何かを考えるように、ユリは黙り込んでしまった。
そして眉根を寄せ、一瞬だけ視線を彷徨わせたかと思えば、今度は恐る恐るといったように、口を開く。
「どうしてわかったんですか……?私……アメ先輩と話したこともないのに……」
「……それは今、美雨が言ったとおり。俺……占いみたいなことが、できるから」
「占いで、こんなことまでわかるんですか……?」
「…… " 顔相占い " ってやつ。人の顔を見て、その人自身のことを " 視る(みる) " 」
「嘘…………」
「嘘じゃないよ。現に、今言ったこと、当たってたんじゃない?」
『この詐欺師!!』とは、私の立場で言えるわけもなかった。
雨先輩の言葉に、困惑しながらも小さく頷いて見せたユリ。
その仕草を確認しながら雨先輩へと目をやれば、先輩は曖昧な笑みを浮かべて彼女を見ていた。
多分、雨先輩もユリに嘘を吐いたことに罪悪感を感じてるんだろう。
初めに私がユリに嘘を吐いたせいで、その嘘に、雨先輩を付き合わせてしまった。
だとしても、ちょっと嘘を吐くのが巧すぎる気がするんだけど……