「─── きみ、」
「え?」
けれど、そんな私の不安を他所に、唐突に放たれた声。
もちろん声の主は雨先輩で、弾かれたように振り向けば、彼は真っ直ぐにユリのことを見つめていた。
「きみは、今から好きな人に、告白しに行くつもり?」
「え……っ」
「ずっと好きだったけど、その人には彼女がいて……それでも諦めきれないくらい、きみは彼のことが好き」
「……っ!」
「当たってる?」
突然、何を言い出すかと思えば。雨先輩は、なんのこともない、昼休みに私が話したことをユリ本人へと伝えた。
それをまるで、自分が今、占ったかのように。
雨先輩の言葉に目を見開いたユリが、今度は弾かれたように私を見た。
「ミウ……アメ先輩に、言ったの……?」
「い、言ってないよ……!」
慌てて両手を前に突き出して嘘を吐けば、ユリはやっぱり困惑しながら雨先輩へと視線を戻す。
ごめん、ユリ……