「美雨は、一週間後に死ぬんだよ?」
「……っ、」
「友達のこと考えるより先に、自分のことを考えた方がいいんじゃない?」
ふわりと風が吹いて、私の肩に触れた髪を優しく揺らした。
真っ直ぐに、雨先輩を見つめる。
同じように揺れる黒髪から覗いた綺麗な双眸が私を見ていて、心の中さえ見透かされてしまいそう。
友達のことを考えるより先に、自分がやりたいことを。
一週間という、残された時間を自分のために。
きっと、雨先輩の言う通りだ。今の私には、自分以外の人のことを考えている余裕なんてない。
「……それに、美雨は、まだ少し勘違いしてるみたいだけど」
「え?」
「例えば、俺がその友達の未来を見て、告白の結果を知れたとする。そしたらその未来は、何をどうしたって必ず訪れる未来ってことだ」
「……え、」