「だけど、その友達の未来を知ったからって、美雨に何ができるの?」



黙り込んでしまった私に、雨先輩の柔らかな声が落ちてくる。言っていることは冷たいのに、諭すような声色で話す雨先輩に思わず心が絆された。

思っていることを、そのまま彼に伝えよう。



「……わかりません」

「え?」

「でも、未来がわかれば、私にも何かできるかもしれないと思ったんです」



そう言えば、今度こそ雨先輩が目を見開いて固まった。

本当に無計画で雨先輩のところまで来た。それでも、ここに来れば何か、私にもできることが見つかるんじゃないかと思ったんだ。

ハヤテくんには彼女がいて、ユリの恋は叶わぬ恋。今の状況では99%、ユリは玉砕して終わるだろう。

好きな人に面と向かって「ごめん」と言われたら、辛いに決まってる。悲しいに決まってる。

それでもユリは、好きな人に想いを伝えようとしてるんだ。「好き」だと、彼に想いの全てを。

そんなユリのために、友達の私ができることってなんだろう。

どんなことでもいいから、何か、ユリのためにできることはないのか知りたかったの。