だけど、そんな私の考えは、多分、顔に出ていたんだと思う。
ユリは固まっている私を見て、今度は困ったように小さく笑った。
「ミウが言いたいことも、ちゃんとわかってるよ」
「え……っ」
「ハヤテくんには付き合ってる彼女がいて、私が告白したところでフラれて終わりだろうなってこと……」
ふわりと、私の疑問を後ろへ攫うように、冷たい風が足元を駆け抜ける。
「それでも、どうしても " 好き " って、伝えたいと思ったの」
ユリの気持ちと言葉は、いつだって真っ直ぐで、直向きで。同時に、今の私には眩し過ぎて、くらくら、してしまうくらいに優しかった。
「どうして急に、そんな風に思ったの?」なんて、そんなこと聞けないくらいに。
だから私は、何も言えずに頭の中で、ユリの言葉を繰り返しながら考えた。
今以上に傷付くための選択を、敢えて選んだ友達に─── 私ができることって、なんだろう。