でも……そんなハヤテくんには、同じバスケ部のマネージャーをしている、可愛いらしい彼女がいた。
休み時間に、二人で楽しそうに話しているところを、よく見かける。
傍から見ても本当にお似合いで、みんなの公認のカップルともいえる二人。
ユリに限らず彼に想いを寄せている女の子たちは、全員揃って片思い。
いつだって、ハヤテくんの彼女だけが、彼の隣で幸せそうに笑ってた。
だから私は、ハヤテくんに想いを寄せるユリの隣で、いつも思ってる。
……ユリは、辛く、ないんだろうか。
好きな人の隣には、彼の好きな人がいて、二人は両思い。
そんな光景を、ただ遠くから眺めているだけで、どんなに願っても、自分の恋は叶わない。
それでも、いつだって、ひたむきに彼を想うユリ。
私は、そんなユリの恋が、とても悲しいものに思えて仕方なかった。