「突然、一週間後に死ぬなんて言われたら、驚くしショックだよな……」



憂いを帯びた、切なげな声。

本当に、この人は何がしたいんだろうと怒りさえ覚えてしまう。

私を憐れんでいると言いたげに視線を寄越す雨先輩を前に、足は根を張ったようにその場から動かなかった。

先輩に言われた通り。一週間後に死ぬと言われた私は驚いたし、ショックを受けた。

だけどそれもこれも何もかも、なんの恨みがあるのか知らないけど、雨先輩が私に変な冗談を言うせいだ。

偶然、天気を言い当てたくらいで。

自分には未来が見えるだなんて、本当にどうかしてる。



「雨、先輩は……」

「うん？」

「雨先輩は、一体、何がしたいんですか……？」



もう、" 美雨 " だとか、勝手に人を呼び捨てで呼んでいることにすら腹が立ってきた。

力強く拳を握って、目の前の雨先輩を下から睨み上げる。

昨日の雨のせいか足元には大きな水溜りがあって、あと一歩でも間違えば、私はその中へと引きずり込まれてしまいそうだった。