「ねぇ、ミウは?ミウが、もしも一週間後に死ぬってなったら、どうする?」
「え……私は、」
─── 私は。
ユリの言葉に、思わず声を詰まらせて、頬杖をついていた顔を手のひらから離した。
窓から迷い込んできた風が、机の上に開かれたままのノートのページをパラパラと送る。
もしも、私が一週間後に死ぬとしたら。
雨先輩の言う通り……もしも一週間後から先の未来が、私にはないのだとしたら。
私は───
「……わかんない」
「えー!」
「だって……、一週間後に死ぬとか、想像できないもん」
苦笑いを零せば、ユリは「まぁ、それはそうかもしれないけど」と、唇を尖らせた。
何もかもが空想で、馬鹿げた話。
心ではそう思っているはずなのに、どうしてか、雨先輩に渡された言葉は、鮮明に私の心を揺らしたままだった。