「ねぇ、もしも、自分が一週間後に死ぬって言われたら、どうする?」
「は……?ミウ、何言ってんの?」
まるで、空から突然落ちてきた拳で、頭のテッペンを殴られたみたいな衝撃だった。
私の質問に、当然のように目を丸くするユリの返事も反応も、どれもが普通のことだろう。
『ちょうど、一週間後。来週の月曜日』
『ハッキリと見えたのは、今伝えたことだから……これ以上、言えることはないんだけど』
『もし美雨が望むなら、それまでの未来も見てみようか?』
普通じゃないのは、雨先輩だ。
あのあと、私に死の宣告をした雨先輩は、当然のようにそう言うと、先にしたように私の目の奥を覗き込んできた。
否(いな)、覗き込もうとしてきたから───
『結構ですっ!!』
全力で、そう突っぱねると、私は逃げるように屋上をあとにした。