「─── 酷く必死な顔をした制服姿のきみが、雨の中を走ってた」



ぽつり、ぽつり。

まるで小雨が降るように話す雨先輩は、やっぱり何かを躊躇している。



「そこに大きな、黒い塊が、きみに向かって突進してきて─── それに驚いた顔をしたきみが見えたあと、突然世界が暗闇に包まれて……そこから先の、きみの未来が見えなくなった」

「そ、それって……」



ねぇ、それって。

それって、まさか。