未来はきっと、今も私を遥か遠くで待っているのだろう。
だけど、私には、その未来が見えないんだ。
閉じた瞼の奥は暗闇で、私はどこに向かって歩いていけばいいのか、わからずにいる。
「せん、ぱいは……雨先輩は、本当に私の未来が見えるんですか?」
思わず口をついて出た言葉に、自分で自分の耳を疑った。
それと同時に、雨先輩が私を見る目を細めて、首をひねる。
どうして、こんな質問をしたのだろう。
未来が見えるかどうかなんて、そんなの聞かなくてもわかってる。
未来なんて、見えるはずもない。
未来が見えるなんて、そんなの嘘に決まってるのに……
「見えるよ」
「……っ!」
「お望みなら、いつの未来が見たいのか聞かせてくれる? ─── 榊、美雨さん」