「未来なんて、やっぱり、どうなるかわからない」

「……だけど、見えない未来を見るために、必死に現在(いま)を走ることはできるよ」


ふわり、と風が吹く。

私たちの顔を上げて、未来へ導くように、強く、強く。


「走ったその先に……何もなかったら?」

「何もなかったら、その時また雨宿りしよう」

「その時……雨先輩は、どこにいるんですか?」

「大丈夫、きっと傍にいる」



─── もしも、未来が見えたなら。

そんな馬鹿げた空想に、想いを馳せた、あの日から。

きみと二人、不確かなものばかりを追いかけた。

ねぇ、きみには、未来はどんな風に映ってる?

どんな風に、見えている?

暗闇の中で伸ばした手を掴んで、光の射す場所まで歩いて行こう。


きっともう、大丈夫。

きみとなら、大丈夫。

きみと二人、見えない未来を探しに行こう。