やっぱり、何を言われているのかわからなくて。
だけど、しばらくして全てを理解して、今度は身体が沸騰したように熱くなった。
重なった、二つの未来。
つまり、私の先の未来には、雨先輩の未来も関わってくるから、雨先輩には見えなかったってこと?
私の未来には、雨先輩がいるから……
「で、でも……雨先輩、私のお母さんの未来も見たじゃないですか!!」
「……うん?」
「それで、お母さんが、私が死んでから泣いて大変だって……! お母さん、私が死んだら立ち直れないままだって、言ったじゃないですか!!」
思わず雨先輩に詰め寄れば、今度こそバツが悪そうに私から目を逸らした雨先輩は、思いもよらないことを口にした。
あの日、私がボロボロになるくらいに泣いて、泣き続けた瞬間を、全て無かったことにしたくなるようなこと。
私が思わず、屋上に穴を掘って入りたくなるようなことを、雨先輩は。
「……美雨の、お母さんの未来に関することは、全部、俺が吐いた嘘」
「はぁ!?」
「俺は一度も美雨のお母さんの未来を見てないし、美雨と美雨のお母さんが話してる時も、ほとんどお母さんの目は見ないようにしてたから……うん」
「うん」って。「うん」って何、なんなの!?