* * * 



「……私って、ホント、ツイてないのかも」



朝、ユリから雨先輩のことを聞いたあと、私は教室の自分の机の中を見て冷や汗をかいた。


─── ない。どこにも、ない。


昨日、担任の先生から突き返された自分の進路表が、机の中を探しても、どこにもないのだ。

腕を机の中に入れたまま、呆然とした頭で必死に進路表の在り処を辿った。

昨日の昼休みに職員室に行き、進路表を突き返されて、屋上に行った。

その時までは確かに進路表は私の手の中にあって、そこから先の行方が─── わからない。

そもそも私は、屋上から進路表を持って教室に戻ってきたんだろうか。……ううん、覚えがない。

ということは、まさか屋上で───

だとしたら、無事なわけがないよ。

だって昨日は、あのあと雨が降った。