「あ、雨先輩……私は、」
「……大丈夫」
「え……」
「美雨の手は、最後の最後まで離さない」
「雨先輩……」
「どんな雨も、いつかはきっと止むはずだって信じてる」
その言葉と同時に、私たちは互いの存在を確かめ合うように、繋いだ手を、強く、強く握り締めた。
再び吹いた風に揺られて、私の頬を一筋の涙が伝い落ちる。
明日がどうなるかなんて、わからない。
未来がどうなるかなんて、わからない。
だけど、今─── どうか、私たちの明日が、1日でも長く続くようにと願ってる。
今、ここにあるものが、どうか手のひらをすり抜けていかないように、私は空に強く願った。