「雨先輩……雨宿りの、星たちへって、これ……」

「わからない……でも、ばあちゃんの字じゃないことだけは確かだ」


トキさんの孫である雨先輩も、私と同じことを思ったらしい。

だけど、だとしたらこれは、誰が誰に宛てて書いた手紙なのだろう。

" 雨宿りの、星たち " とは、一体誰のことで、なんのことを示しているのか。

本当に、これがトキさんが私たちに見せたかったものなの?

本当に、私たちの選択はあっているのか、何ひとつ正解がわからないけど、でも……


「……開けるよ」


考え込むように、動きを止めた私たち。

けれど、その時間を動かすために、雨先輩が再び言葉を零すと意を決したように封筒へと手を掛けた。

そうして一度も封を切られた様子のないそれを、慎重に指で開くと、中からやっぱりどこか古ぼけた、三枚の便箋を取り出した。