「お母さん、ミウのことを迷惑だなんて一度も思ったことないよ? 寧ろ、そんな風に思わせちゃってたとしたら、お母さん失格ね」


向かい合わせ、お母さんの瞳に黄金色に輝く葉が映る。その美しさに思わず口を噤めば、再び柔らかにお母さんが微笑んだ。


「だって、お母さんの元気の源が、ミウなのよ」

「私……?」

「うん。お母さんはね、ただ、ミウが大人になるのを見たいの。ミウがどんな風に成長していくのか、いつだって傍で見ていたいし、その為ならどんなことでも頑張れる」

「……っ、」

「ねぇ、ミウ。お母さんの未来そのものが、ミウなのよ」


─── お母さんの未来が、私。

そう言って笑うお母さんの笑顔は、やっぱり、遠い昔に見た笑顔と同じだった。

『私、将来はお母さんと同じ、看護師さんになる!』

あの日、声高々に言い切った私に嬉しそうに微笑み返してくれたお母さん。

そんなお母さんを見て、一人で満足しながらオムライスを食べ始めた私に、遠い日のお母さんは幸せそうに笑いながら、続けてこう言った。


─── それじゃあ、ミウの夢、お母さんが一番応援するね。