◇◆
少し遅めの昼食をとったあと、ふたりでよもぎの散歩をして、それから近くのショッピングモールへ向かった。
おじさんの車で出かけるのもずいぶん慣れてきたように思う。最近は当たり前のように助手席に座るようになったあたしに、おじさんはただ「シートベルト締めろよ」と、毎回お決まりのように言うだけだ。
「あ、これかわいいなあ。どう思う?」
雑貨屋さんと家具屋さんをいろいろ見てまわった。これで6軒目。どのお店にもひとつは必ず、いいなって思うものがある。
「いいんじゃねえの」
あたしの手元を見もしないで、おじさんは興味なさそうに言った。
さっきから、あたしがカワイイとかステキとか言うたび、この台詞を繰り返されている気がする。
「いっしょに見て考えてよ」
「おまえの好きなもん買えばいいって言ってるだろ」
そうだけど。そうなんだけど。
でもやっぱりいっしょに選びたいじゃん。ふたりで使うものなんだから。
「それよりそろそろ一服」
わがままなクソジジイめ。あたしがガキなら、おじさんはジジイだ。
煙草なんかいいことないよ。やめちゃえばいいのに。なんのために吸ってるんだろ。いつから吸ってるんだろ。
「クレープ買ってやるから。俺が煙草吸ってるあいだ、食いながらどの皿買うか決めとけよ」
ポケットから煙草を取りだしたおじさんが、ちろちろと、それをこっちに向けて振った。
さっきクレープ屋をじっと見てたの、バレていた。
少し遅めの昼食をとったあと、ふたりでよもぎの散歩をして、それから近くのショッピングモールへ向かった。
おじさんの車で出かけるのもずいぶん慣れてきたように思う。最近は当たり前のように助手席に座るようになったあたしに、おじさんはただ「シートベルト締めろよ」と、毎回お決まりのように言うだけだ。
「あ、これかわいいなあ。どう思う?」
雑貨屋さんと家具屋さんをいろいろ見てまわった。これで6軒目。どのお店にもひとつは必ず、いいなって思うものがある。
「いいんじゃねえの」
あたしの手元を見もしないで、おじさんは興味なさそうに言った。
さっきから、あたしがカワイイとかステキとか言うたび、この台詞を繰り返されている気がする。
「いっしょに見て考えてよ」
「おまえの好きなもん買えばいいって言ってるだろ」
そうだけど。そうなんだけど。
でもやっぱりいっしょに選びたいじゃん。ふたりで使うものなんだから。
「それよりそろそろ一服」
わがままなクソジジイめ。あたしがガキなら、おじさんはジジイだ。
煙草なんかいいことないよ。やめちゃえばいいのに。なんのために吸ってるんだろ。いつから吸ってるんだろ。
「クレープ買ってやるから。俺が煙草吸ってるあいだ、食いながらどの皿買うか決めとけよ」
ポケットから煙草を取りだしたおじさんが、ちろちろと、それをこっちに向けて振った。
さっきクレープ屋をじっと見てたの、バレていた。