あたしが学校をズル休みしたことなんか、おかーさんにとってはほんとにどうでもいいことなのかもしれない。
あたしってわがままな子だな。めんどくさい子だ。
でも、どうしていっしょに考えてくれないのって、思わずにはいられなかった。
ズル休みしたんだよ。特に理由もなく、勝手に学校を休んだんだ。学校が嫌いなわけでもないって、あたしは言ったんだ。
なのにおかーさんは『好きにしたらいい』と言っただけ。
まあ、どうして学校を休んだのかってしつこく聞かれても、あたしはそれをうざったいと思うんだろうけどさ。
おかーさんのこういうあっさりしているところ、大好きだ。楽チンだし、友達みたいで楽しいって思う。元気すらもらえる。
あたしの気持ちを尊重してくれていることも、本当はわかっている。
でも、違うの。違うんだ。
そうじゃなかった。
いっしょに考えてほしかった。
いっしょにもやもやの正体を突きとめてほしかった。
そのためなら、ひどく叱られたってよかった。
あたしはわがままだ。嫌な子だ。そして、あきれるくらいにお子ちゃまだ。
『いーちゃん、きょうもお休み?』
翌朝、起きたらすでに10時をまわっていた。おかーさんはきょうは起こしてすらくれなかったらしい。
1時間目が始まる前の時間に届いていた、幼なじみからのメッセージに既読だけつけて、きょうももう一度布団にもぐった。
ダメだよ。なんだか全部が嫌になってる。